メールマガジン「事業用自動車安全通信」第578号(R2.10.30)

◆◆◆メールマガジン「事業用自動車安全通信」第578号(R2.10.30)◆◆◆

=はじめに=
このメールマガジンは、国土交通省において収集した事業用自動車に関する事故
情報等のうち重大なものについて、皆様に情報提供することにより、その内容を
他山の石として各運送事業者における事故防止の取り組みに活用していただく
ことを目的として配信しています。
また、自動車運送事業等における安全・安心確保に関する最近の情報等について
もトピックとして提供していますので、ご活用ください。

=目 次=
1.重大事故等情報=5件(10月23日〜10月29日分)
(1)乗合バスの車内事故
(2)個人タクシーの衝突事故
(3)個人タクシーの酒気帯び衝突事故
(4)法人タクシーの火災事故
(5)法人タクシーの死傷事故

2.トピック
(1)事故ゼロを目指して!大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンを実施(新着情報)
(2)自動車事故対策費補助金の申請受付を開始(新着情報)
(3)大型貸切バスの車内換気の可視化実験について
(4)バスの交差点での死亡事故を踏まえた事業用自動車の安全確保の徹底について
(5)観光バス及び路線バスの車内換気能力
(6)事業用自動車の運転者に対する飲酒運転の防止等法令遵守の徹底について(再要請)

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1.重大事故等情報=5件(10月23日〜10月29日分)
(1)乗合バスの車内事故
10月23日(金)午後2時2分頃、茨城県の市道において、同県に営業所を置く乗合バ
スが乗客8名を乗せ運行中、バス停で乗車扱い後に発車したところ、当該バス停
から乗車し着座前だった乗客1名が、発車時の揺動により転倒した。
この事故により、当該乗客が重傷を負った。

(2)個人タクシーの衝突事故
10月23日(金)午後3時49分頃、広島県の市道の丁字路交差点において、同県に営
業所を置く個人タクシーが乗客1名を乗せ運行中、右折しようとしたところ、前
方渋滞のため軌道線上に停車してしまい、後方から進行してきた路面電車と衝突した。
この事故による負傷者はなし。

(3)個人タクシーの酒気帯び衝突事故
10月26日(月)午後9時頃、東京都の区道において、都内に営業所を置く個人タク
シーが自家使用中、ガードレールや駐車車両に衝突した。
この事故による負傷者はなし。
事故後の警察の調べにより、当該タクシー運転者の呼気からアルコールが検出さ
れたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。

(4)法人タクシーの火災事故
10月23日(金)午後4時50分頃、神奈川県の県道において、同県に営業所を置く法
人タクシーが乗客1名を乗せ運行中、ボンネット付近より出火した。
この事故による負傷者はなし。

(5)法人タクシーの死傷事故
10月28日(水)午前3時29分頃、福岡県の市道において、同県に営業所を置く法人
タクシーが回送運行中、路上横臥者をはねた。
この事故により、当該横臥者が死亡した。

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上記5件の死傷者数計:死亡1名、重傷1名、軽傷0名(速報値)
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2.トピック
(1)事故ゼロを目指して!大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンを実施(新着情報)
大型車のホイール・ボルト折損等による車輪脱落事故が増加している状況を踏ま
え、令和2年11月1日から「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施します。

1.令和元年度の大型車※の車輪脱落事故の発生状況
※大型車とは、車両総重量8トン以上のトラック又は乗車定員30人以上のバス
・発生件数は112件(昨年比31件増加)
・冬期(10月〜2月)に多く発生
・特に東北地区で多く発生
・車輪脱着作業後1ヶ月以内に多く発生
・タイヤ交換作業が集中する11月に交換した車両の事故が多い
・車輪脱落箇所は左後輪に集中

2.大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンの実施
国土交通省では、昨年12月に「大型車の車輪脱落事故防止対策に関する調査検
討ワーキンググループ」(座長:交通安全環境研究所伊藤紳一郎副部長)を設置
し、事故原因の徹底究明と効果的な事故防止対策の検討を行ってきたところ、令
和2年10月16日に中間とりまとめが決定されました。
国土交通省では、この中間とりまとめの決定を受けて、「令和2年度緊急対策」
の早期かつ確実な実施を図るため、関係業界の協力のもと、「大型車の車輪脱落
事故防止キャンペーン」を実施します。

【実施期間】令和2年11月1日〜令和3年2月28日
【主な実施項目】
・運送事業者等に対する事故防止対策の周知・指導
・運送事業者による大型車の「ホイール・ナットの緩み」の総点検実施
・貨物運送事業者では、タイヤ交換時の作業管理表を使用した正しいタイヤ交換
作業実施
・トラックのホイール・ナットへのマーキング等の活用を推進し、日常点検での
ホイール・ナットの緩みの点検を重点的に実施

※詳細については、下記リンク先をご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000261.html

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(2)自動車事故対策費補助金の申請受付を開始
(新着情報)

国土交通省では、自動車運送事業における交通事故防止の観点から、先進安全自
動車(ASV)や運行管理の高度化に資する機器の導入等の取組を支援するため、
要件を満たした事業者に対して自動車事故対策費補助金を交付する事故防止対
策支援推進事業を実施しており、今般、その補助金の申請受付を以下のとおり開
始いたしました。

1.実施する補助事業
(1)先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援
(2)運行管理の高度化に対する支援
(3)過労運転防止のための先進的な取組に対する支援
(4)社内安全教育の実施に対する支援

2.補助事業の内容
申請方法、申請受付場所、申請受付期間等につきましては、国土交通省のホーム
ページの以下のページに掲載しています。

先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/esc_02.html

運行管理の高度化・過労運転防止・社内安全教育に対する支援
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/jikoboushi.html

3.留意点
申請受付期間中に申請総額が予算額に達する場合は、申請受付期間であっても申
請受付を終了致しますのでご注意下さい。

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(3)大型貸切バスの車内換気の可視化実験について
(配信日:R2.9.25)

(独)自動車技術総合機構 交通安全環境研究所では、大型貸切バス車室内の換気
状況を調査するため、令和2年9月25日に車室内の空気流動を可視化する実験を行
いました。実験では、バス車内をスモークで充満させ、空調機を作動させること
により車内の空気と外気を入れ替えることができる様子を可視化して、窓開けな
どをしなくとも優れた換気性能を持っていることが確認されました。
利用者の方々におかれましては、安心して貸切バスをご利用いただければと考え
ております。
また、バス事業者の皆様におかれましては、バスにおける感染予防対策のPRの
際に、ぜひこの実験結果も活用いただければと思います。

※詳細については、下記リンク先をご覧下さい。
https://www.ntsel.go.jp/news/20200925.html

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(4)バスの交差点での死亡事故を踏まえた事業用自動車の安全確保の徹底について
(配信日:R2.7.31)

本年に入り、バス車両が丁字路を右折する際に、交差点の歩道上を車両左手側か
ら横断する子供と衝突し、子供が死亡する事故が立て続けに生じております。
また、子供がバス車両前方を横断する際の事故が近年数多く発生しています。
自動車運送事業者の皆様におかれましては、同種事故の再発を防止するため、運
転者に対する指導・監督、点呼等を通じて、次の事項について改めて徹底するよ
うお願い致します。

(1)バス車両は、「死角が大きい」ことから、直前、側方、後方など見えない
部分に配慮した運転が必要であることを認識させること。特に、丁字路をはじめ
とした交差点での右折時に車両左手側から進行する歩行者等に気を配ること。

(2)道路には、歩行者や自転車などが通行しており、それぞれの行動を理解し
走行時に配慮することにより、事故を回避できることを認識させること。

(3)歩道側の植え込みなどにより見通しの悪い交差点では、歩行者や自転車が
飛び出してくる可能性が高いことから、一時停止または徐行し、注意して走行す
ることが必要であることを認識させること。

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(5)観光バス及び路線バスの車内換気能力
(配信日:R2.6.19)

大型自動車メーカー等の協力のもと、主な観光バス及び路線バスの車内換気能力
についてまとめました。

○観光バスの車内換気能力
観光バスは、エアコンの外気導入モードを使用することにより、窓を閉めた状態
で5分程度で換気する能力があります。
また、8割以上の車両は窓を開けられる構造であり、利用者が窓を開けて換気す
ることも出来ます。

○路線バスの車内換気能力
路線バスは換気扇を使用することにより、3分程度で換気する能力があります。

※詳細については、下記リンク先をご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/top/data/covid19_info_shyanaikanki.pdf

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(6)事業用自動車の運転者に対する飲酒運転の防止等法令遵守の徹底について
(再要請)
(配信日:R2.5.22)

事業用自動車の運転者に対する飲酒運転の防止については、「事業用自動車総合
安全プラン2020」において事業用自動車における飲酒運転ゼロを目標に掲げ、
様々な取組を実施してきたところです。また、昨年5月にも「事業用自動車の運
転者に対する飲酒運転の防止等法令遵守の徹底について」(通達)を発出し、事
業者の皆様に、特に以下の事項について周知徹底していただくよう、お願いして
きたところです。
しかしながら、昨年の飲酒運転による事業用自動車の交通事故は56件と、「事業
用自動車総合安全プラン2020」を策定した2016年以降で最多となりました。
また、本年は、国土交通省への報告が求められる重大事故が、昨年同時期を上回
る13件発生しています(速報ベース)。特に、5月に入り4件の事故が発生してい
るところです。
自動車運送事業は、今般の新型コロナウイルス感染症が拡大する中、国民生活・
国民経済の安定確保に不可欠な存在であり、事業者の方々に日々ご尽力いただい
ているところですが、こうした中で飲酒運転による事故が相次いで発生している
ことは、運送事業に対する社会の信頼の失墜に繋がる事態であり、誠に遺憾です。
つきましては、「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的
な指導及び監督の実施マニュアル」等を活用し、飲酒運転の防止の徹底について、
改めて周知徹底いただくよう、お願いいたします。

運転者に対する指導・監督、点呼等において、以下のことを徹底すること。
(1)飲酒による身体への作用・影響や飲酒運転の危険性等を事例を用いて理解
させること。
(2)確実な点呼の実施体制が確保できているか確認し、必要に応じ見直しを行
うとともに、点呼時におけるアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認を
行うこと。
(3)運転者の飲酒状況を把握するとともに、日常的に飲酒する習慣がある運転
者に対しては、遠隔地の点呼において確実に酒気帯びの有無を確認できる機器を
用いるなどにより管理を行うこと。

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【メールマガジン「事業用自動車安全通信」】
発行 国土交通省自動車局安全政策課
*このメルマガについてのご意見は、< jiko-antai@mlit.go.jp >までお寄
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【参考】
*自動車局ホームページ
http://www.mlit.go.jp/jidosha/index.html
*自動車の不具合情報はこちら
最近、自動車に乗っていたら異常発生、なんてことありませんでしたか。そんな
時は、車検証を用意して、国土交通省「自動車不具合情報ホットライン」に連絡
です。皆様の声は、車種ごとに、ホームページ上で公開され、メーカーがきちん
とリコールをしたり、メーカーのリコール隠しを防ぐために活用されます。
・ホームページ受付
http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/hotline.html
・フリーダイヤル受付 0120−744−960
(平日9:30〜12:00 13:00〜17:30)
・自動音声受付 03−3580−4434(年中無休・24時間)
*自動車のリコール等の通知等があったときは!
使用されている自動車について、自動車ディーラーなどから、リコール又は改善
対策の通知が送付されたり、その対象であることが新聞等で公表されたときは、
安全・環境への影響から、その自動車の修理を行うことが必要になったというこ
とです。道路運送車両法により、自動車ユーザーは、自分の自動車が保安基準に
適合するよう点検・整備する義務がありますので、忘れずに修理を受けましょう。

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